宗教2世とは、親がすでに宗教に入信している環境下にいる子どものことをいいます。
あなたは「宗教」と聞くと、どのようなイメージがありますか?
「宗教」という言葉からは、マインドコントロールや怖い、お金、うさんくさいなどのネガティブなイメージが多く聞かれます。
しかし、日常的に宗教が身近に無い方にとっては、具体的にイメージすることは難しいですよね。
宗教は心の拠り所であると、ポジティブなイメージを持つ方もいます。
宗教の家庭に生まれた宗教2世とは、どのような暮らしをしているのでしょうか?
また「宗教2世問題」と呼ばれる背景には、どのような問題があるのでしょうか。
宗教2世とは結婚が難しいのか?という疑問と合わせて、この記事で簡単にご紹介します。
宗教2世とはどのような人!?禁止事項とは?
宗教2世とは、親がすでに宗教に入信している環境下にいる子どものことをいいます。
祖父母の代から宗教に入信している場合、3世という呼び方にもなりますが、この記事では「宗教2世」で統一します。
宗教2世とは、生まれたときから入信する宗教が決まっていることが多く、その場合自分の意思で信仰を決めた訳ではありません。
日本では多くの宗教が存在し、宗教によっては様々な禁止事項が決められています。
自らの意思で信仰する宗教を選んでいない宗教2世の場合、各宗教の禁止事項に悩んだり、苦しんだりすることがあります。
小学生の頃、クラスの中になぜか皆と同じ行動をしていないクラスメイトはいませんでしたか?
宗教2世が行動を制限されていた、各宗教の禁止事項とはどのような内容なのか、簡単にご紹介します。
神社仏閣に入れない
宗教2世とは、親や所属する宗教から神社仏閣に入ることを制限されることがあります。
小学生の頃、どうして鳥居の外で立って中に入ってこないの?という子はいませんでしたか?
日本の伝統的な宗教といえば、仏教や神道が思い浮かびますよね。
宗教2世が所属する宗教の多くは、新興宗教やカルト宗教と表現される宗教で、日本の伝統的な仏教や神道とは違います。
その宗教によっては、他の宗教に対して否定的な考えを持つこともあり、神社仏閣の敷地にただ入ることも制限されてしまいます。
日本では文化として、伝統的な神社仏閣が数多くのこされていて、信仰心の有無とは関係なく訪れることがありますよね。
宗教2世の場合、学校の遠足や修学旅行であっても神社仏閣に入ることを制限されてしまいます。
季節のイベントに参加できない
日本では1年を通して、クリスマスやバレンタイン、お正月、節分、七夕など様々な季節のイベントを楽しむ慣習がありますよね。
宗教2世が所属する宗教によっては、季節のイベントに参加することを禁止されてしまいます。
例えばクリスマスは、イエス・キリストの生誕を祝う日と言われています。
しかし、日本で暮らす人のほとんどは宗教観とは全く関係なく、家族や恋人と過ごす冬のイベントと捉えていますよね。
宗教観とは関係のない、大切な人と楽しい時間を過ごす目的のクリスマスであっても、宗教2世は参加を禁止されてしまうことがあります。
友だちや恋人とプレゼント交換することもできないのは、悲しいですよね。
輸血拒否
エホバの証人の家庭に生まれた宗教2世は、医療処置としての輸血の場合でも、親や宗教組織から禁止されています。
エホバの証人という宗教では、輸血を禁止するという宗教上の教えがあります。
過去には、事故や急病で輸血が必要な状況で、エホバの証人による輸血拒否によって輸血が受けられずに亡くなったケースが実際にあります。
エホバの証人による教えから「死んでも復活できる」と話す信者もいるようです。
そもそも、自分の意思で入信していない宗教2世の場合、命が失われる原因となった輸血拒否は、本人が望んでいたのでしょうか?
輸血拒否によって、助かったかもしれない命が失われたニュースを目にした方もいるかもしれません。
宗教2世の輸血拒否も大きく関与している「宗教2世問題」とはどのようなことなのでしょうか?
あなたも耳にしたことがあるかもしれない「宗教2世問題」について、次の章で簡単にご紹介します。
宗教2世問題を簡単にご紹介!
自分の意思で入信していない宗教2世が、各宗教の禁止事項によって多くの制限をされていたことを知っていただけたでしょうか。
この章では、ニュースなどで取り上げられている宗教2世問題について、簡単にご紹介します!
宗教2世問題と聞いても、触れちゃいけないタブーのような気がしてよく分かりませんよね。
そもそも「宗教2世問題」とは、具体的にどのような問題のことをいうのでしょうか?
また、宗教2世問題が注目されるきっかけとなった、安倍晋三元首相銃撃事件についても、少し触れていきます。
宗教2世問題はどのような問題?
宗教2世問題とは、望まない宗教活動を強いられたり、親から暴力や虐待を受けたり、各宗教の教えによって行動に制限を受けたりする問題のことです。
宗教2世は全員、苦しい思いをしているの?
宗教2世でも信仰心がある人は苦しくないと思うよ。
大切なのは、本人に信仰心があるのかどうかだよね。
宗教2世の中には、所属する宗教の信仰対象に対して信仰心が無い人が多く存在します。
信仰心が無く、望まない宗教活動を強いられることは、どのような人でも辛いですよね。
中には宗教上の教えや、子どもが宗教活動に積極的ではないことを理由に、親から暴力や虐待を受ける問題も起こっています。
また、多くの方は、ライフステージの中で様々な出会いやイベントを経験して来ていることでしょう。
普通に友だちを作ったり、遊んだり、部活を頑張ったり、恋をしたり、初デートにときめいたりしますよね。
当たり前のこととして経験し、親や周囲から反対されることも無い「普通のこと」を宗教2世は禁止されてしまうのです。
幼い頃から苦しい思いをして育った宗教2世は、心や身体に傷を負ったまま大人になるパターンも多く存在しています。
安倍晋三元首相銃撃事件
宗教2世問題は、これまで家庭内のこととしてあまり注目されることはありませんでした。
安倍晋三元首相銃撃事件は、宗教2世問題が注目されることになった大きなきっかけのひとつです。
旧統一教会の宗教2世である山上徹也被告は、なぜ安倍晋三元首相を狙ったのでしょうか?
NHKの取材では、山上被告の母親が多額の献金をしていた旧統一教会に恨みを募らせ、事件を起こしたと供述しています。
元首相を狙った理由は「政治信条への恨みではなく、教団と近しい関係にあると思った」と、話しているようです。
宗教2世は結婚が難しいの?
宗教2世は、同じ宗教以外の相手との結婚が難しいイメージが強いですよね。
残念ながら、所属している宗教が理由で結婚の話がスムーズにすすまないケースはあります。
宗教2世との結婚は相手にとって「宗教を信仰している親と親族になる」ということでもあります。
宗教観で自分の親と対立している宗教2世の場合は特に、結婚は難しい問題になってしまうこともあります。
宗教2世は普通の結婚は諦めたほうがいいの?
諦めなくていいよ。大切なのは相手との信頼関係の積み重ねだからね。
結婚したいと思えるくらい大切なパートナーができた時、またその時に備えて宗教2世にはどのような準備が必要になるのでしょうか?
自分の宗教観と向き合う
宗教2世のあなたは、自分自身が宗教に対してどう思っているかはっきりと言えますか?
宗教2世は親との関係性を気にして、自分自身の宗教観とはっきり向き合っていない場合があります。
所属している宗教に対して、自分自身がどのような宗教観を抱いているかじっくり向き合ってみましょう。
パートナーとよく話し合う
今回の記事でお伝えした通り、宗教に対してネガティブなイメージを抱く人はいます。
受け入れてもらうことは難しいと初めから諦めてしまわず、ご自身の宗教観と合わせてパートナーとよく話し合ってみましょう。
自分が宗教2世であること、親の宗教関係を無かったことにするのは難しいでしょう。
インターネットで検索すると、宗教2世の結婚にはネガティブな意見が多く見られます。
結婚したいのは目の前のその人だからね。その人とちゃんと向き合うんだよ。
宗教2世の結婚は、越えなければならないハードルが多いかもしれません。
自分と相手が納得できる答えを出せるよう、関係を育んでいってくださいね。
まとめ
- 宗教2世とは、親がすでに宗教に入信している環境下にいる子どものこと
- 宗教は、マインドコントロールや怖い、お金、うさんくさいなどのネガティブなイメージが多い
- 宗教は心の拠り所であると、ポジティブなイメージもある
- 宗教2世とは、生まれたときから入信する宗教が決まっていることが多く、その場合自分の意思で信仰を決めていない
- 宗教によっては、神社仏閣に入れない、季節のイベントに参加できない、輸血拒否など様々な禁止事項が決められている
- 過去にはエホバの証人による輸血拒否によって、輸血が受けられずに亡くなったケースがある
- 宗教2世問題とは、望まない宗教活動を強いられたり、親から暴力や虐待を受けたり、各宗教の教えによって行動に制限を受けたりする問題のこと
- 安倍晋三元首相銃撃事件は、宗教2世問題が注目されることになった大きなきっかけのひとつ
- 所属している宗教が理由で結婚の話がスムーズにすすまないケースはある
- 宗教2世の結婚には、自分自身の宗教観と向き合い、パートナーとよく話し合うことが大切
宗教2世とはどのような人であるか、知っていただけたでしょうか?
宗教2世に関わることはネガティブで複雑な場合が多いことから、自分が宗教2世であることを隠している人もいます。
あなたのクラスや職場、友人の中にも宗教2世はいるかもしれません。
もし身近な誰かが宗教2世であった時は、宗教の家庭に生まれたという、その人の一部を知っていただけたら嬉しいです。
この記事を最後まで読んで、少しでも宗教2世に関心をもっていただきありがとうございました♪
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